エトセル(医療用)
医薬用エトセルについて
エトセルPremiumはその特徴ある物性を利用して、さまざまな医薬品に広く利用されてきました。
一例を挙げますと水不溶性を利用した防水コーティングや苦味マスキングに、また可塑剤を併用することによって生ずる熱可塑性を利用した徐放性製剤の設計等がありますが、最近は造粒バインダーや、乾式直打法に用いて徐放性製剤の設計や検討にも幅広く利用されるようになってきました。またエトセルPremium FP(微粉砕品)は徐放性マトリックスバインダー、水系コーティング剤として使用されております。
弊社でご提供いたしますエトセルPremium及びPremium FPは、日本医薬品添加物規格(JPE)はもちろんのこと、FCC・NF・EP等各国の公定書規格に合格するように品質が設計されておりますので、安心してご利用いただけます。
エトセルグレード選択
用途 | グレード | 使用量 |
---|---|---|
徐放性バインダー/ 苦味マスキング剤 |
7P 10P 20P エトセル/水溶性ポリマーとの併用系 |
3〜10% |
マイクロカプセル | 45P 100P | 10〜20% |
徐放性錠剤/顆粒コーティング | 7P 10P 20P | 3〜4% |
造粒バインダー | 10P 20P 45P | 1〜3% |
徐放性マトリックスバインダー | 7FP 10FP 100FP | 20〜40% |
直打結合剤(クッション剤)/非給水安定化剤 | 7FP 10FP 100FP | 20〜40% |
処方例ー1:湿式顆粒圧縮打錠マトリックス処方
原材料 | 使用量 |
---|---|
アセトアミノフェン | 16部 |
乳糖 | 47~57部 |
エトセル10FP | 25~35部 |
PVP K30 | 2部 |
練合水(対固形分) | 10部 |
処方例ー2:溶剤系コーティング液組成
原材料 | 使用量 | |
---|---|---|
例-1 | 例-2 | |
エトセル10P | 6 | 2.4 |
TC-5 | - |
3.6 |
エタノール | 80 | 80 |
水 | 14 | 14 |
用途
- 造粒バインダー
- エトセルは水に不溶な物質のための、溶媒系造粒用バインダーとして使用されています。また、エトセルをバインダーとして造粒した顆粒でつくる錠剤は高い硬度を示し、特徴ある溶出特性を発現します。 さらにエトセルは可塑剤を添加することにより熱可塑性を持つようになるため、押し出し造粒用バインダーとしても使用されています。製剤の薬物溶出時間はエトセルの量と造粒液に加える水溶性バインダーの種類や、添加量によって調整することができます。
- 錠剤バインダー
- エトセルは乾式圧縮顆粒や、乾式直接打錠のバインダーとして使用されています。錠剤バインダーとして、少量のエトセルを使用した場合は、錠剤の溶出を遅らせることはありません。バインダーとして使用するときは、10%の固形分となるようにエトセルを単一溶媒、混合溶媒に溶解し、可塑剤(例えばグリセリン)を加えて使用します。
- マトリックスバインダー
- 薬物の放出は錠剤に生じた毛管によっておこなわれ、錠剤に生ずる毛管の経と長さはエトセルの粒子径、使用量、打錠圧等に依存します。 エトセルFP使用量は製剤に対しておよそ20~40%と言われています。
- 錠剤/顆粒コーティング
- エトセルは溶剤系のコーティング剤として長く使用されてきました。それは優れた接着性のある強いフィルムを形成するためです。また、エトセルは水に不溶性なのでヒドロキシプロピルメチルセルロースのような水や有機溶媒に可溶な他のポリマーと組み合わせて使用されることもあります。 持続性、徐放性コーティングはエトセルとヒドロキシプロピルメチルセルロースの混合比率を変えることによって、任意の溶出性を設計することができます。
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